今回の「メガネColumn」は、アセテートフレームの経年変化もしくは経年劣化による眼鏡の部分修理のお話し。
眼鏡にとどまらず、それを愛用していた時間の分だけモノには想いが詰まっていますよね。
今は使わなくなったけど、大切に取っておきたいモノが一つはあるはず。
長いお付き合いの顧客様が 先日、眼鏡をご新調下さり、その際にずっと愛着を持って御愛用されていた眼鏡の修理をお預かり致しました。
ここ十数年は大切に保管されていた眼鏡ですが、アセテートフレームは、その素材特性ゆえに経年変化や経年劣化によりフレーム状態が変化してしまいます。
このフレームは丁番(テンプルを折りたたむ)部分の合口を修理します。
では、修理過程をご紹介します。
修理箇所に合わせて黒いアセテート生地を切り出しました。
片側だけ「コ」の字型になるように成型しています。
そして しっかりと乾燥させて固定します。
パーツの接合部分に特殊な溶剤を塗った後、少し溶けてきたことを見計らってくっつけます。 ↓ こんな感じ
さて、次の工程にすすみます。
余分な部分を削って形を整えたら こんな状態です。
つなぎ目が気になる所があるので、そこにも処置をします。
黒いアセテート生地を溶かして塗ります。
すると こんな状態。
しっかり乾くまで乾燥させます。
表面が荒くて艶のないトコロがパーツを継ぎ足した部分です。
乾燥したら余分な生地を削りカタチを整えて
紙ヤスリで表面を整えます。
で、磨きの工程で艶出しをして出来上がり。
かみ合わせてもキレイになりましたね(´ー`)
修理前と修理後を比べましょう( `ー´)ノ
開き具合も自然で本来の状態に戻りました。
御客様にお返しする時、再度フィッティングを行えば、安定した掛け心地で御愛用いただけるはずです👏
保管しておくにも良い状態の方が◎です。
ここで御紹介した修理内容は、現在 当店で料金を頂戴する「修理メニュー」としてお受けしていません。
ワタクシが、修理・補修の技術を磨いている段階なので、
眼鏡をご購入くださった御客様へのサービスとして実施した内容を、修理例としてご紹介しました。
修理内容によりますが、通常はパーツ交換や修理工場でお直しする方法を選択しています。
(それらは有料修理です)
“ こんな補修・修理の手業も持っています “
という店主が、御客様がご購入くださった眼鏡に対して、
責任をもってしっかりとアフターケア・メンテナンスサポートを致します。
皆様の暮らしを支える大切な眼鏡。
お受け取りいただいた日から 御客様と当店、私との 長いお付き合いがはじまります。